生まれたばかりの赤ちゃんの口の中には、虫歯の原因となる「ミュータンス菌」は存在しません。ミュータンス菌は赤ちゃんと接している親や家族からうつるといわれています。
今回は家族から赤ちゃんへ虫歯がうつるメカニズムと予防についてご紹介します。
虫歯がうつるって本当?
正確には、お口の中の虫歯の原因となる「ミュータンス菌」が唾液を介して赤ちゃんにうつり、虫歯リスクを高めてしまいます。必ずしもミュータンス菌がうつったからといって、虫歯になるというわけではありません。
どんな時にミュータンス菌がうつるの?
食器を共有したり、キスなどのスキンシップでミュータンス菌がうつる原因になると言われています。そのため、赤ちゃんと接することが多い親や家族に虫歯があると、感染のリスクも上がってしまいます。
特に生後19~31ヶ月頃は乳歯の萌出期であり「感染の窓」と呼ばれ、虫歯への感染が起こりやすい時期です。この時期に虫歯にならないことで、成長しても虫歯ができにくいお口の環境になると言われています。ミュータンス菌の感染をできるだけ遅らすことが子どもの虫歯予防につながります。
ミュータンス菌をうつさないためにできること
子どもに虫歯をうつさないために、まずは周りの大人がしっかり予防をすることが大切です。そのためには、日ごろからかかりつけの歯科を持ち、定期検診を受けたり、正しいセルフケアをする習慣をつけておきましょう。特に妊娠中は虫歯や歯周病になりやすいため、安定期に入ったら歯科検診を受け、出産に備えておくことも大切です。
子どもは、地域の乳幼児の歯科検診を受けたり、歯が生えてきたらかかりつけの歯科で歯科検診を受けましょう。
当院では、お子様に寄り添った診療に取り組んでおり、まずは診療台に座る・器具を触るなど、歯医者が安心できる・こわくないところであると知ってもらうことから始めます。また、ご兄弟や保護者の方が診療中はスタッフがお子様をお預かりすることが可能ですので、お気軽にお問い合わせください。
まとめ
今回は家族から赤ちゃんへ虫歯がうつるメカニズムと予防についてご紹介しました。
家族が健康なお口を維持することは、子どもたちの将来のお口の健康を守ることにもつながります。お子様だけでは、しっかりお口を管理することは難しいため、ご家族の協力が必要です。歯磨きはもちろん、食事の内容や回数、甘いものを食べ過ぎていないか、しっかり噛んでいるかなども気にかけてあげてください。お子様だけでなく、ご家族も一緒にご自宅での口腔ケアや歯科定期検診に通い、ご家族でお子様の歯を守る取り組みを行いましょう。