無意識に口で呼吸をしている「口呼吸」。実は、口呼吸はお口の健康だけでなく、全身の健康にも影響を与える可能性があります。今回は口呼吸が引き起こすリスクや改善方法について、歯科の視点からご紹介します。

口呼吸とは？

口呼吸は、鼻ではなく口を使って空気を取り入れる呼吸方法のことです。通常、人間は鼻から呼吸をすることで空気を浄化・加湿・温めるなどし、体に取り込みます。しかし、口で呼吸をすることで、空気が直接体内に入ってしまい、様々な問題が発生します。

口呼吸が引き起こすお口の問題

虫歯や歯周病のリスクが増加

口呼吸をしていると、口の中が乾燥しやすくなります。唾液には殺菌作用があり、細菌の繁殖を抑える役割がありますが、口が乾燥するとその効果が弱まり、虫歯や歯周病のリスクが高まります。

歯並びへの影響

子どもの場合、口呼吸が習慣化することで、歯並びや顎の成長に影響を与えることがあります。

口臭の原因

口が乾燥すると口内の細菌が増え、口臭の原因になることがあります。

口呼吸が及ぼす体への影響

免疫力の低下

鼻には異物を取り除くフィルター機能がありますが、口呼吸ではその役割が果たされず、細菌やウイルスが体内に入りやすくなります。これにより風邪や感染症にかかりやすくなる場合があります。

睡眠の質の低下

口呼吸は、睡眠時無呼吸症候群の原因となることがあります。これにより、十分な酸素が供給されず、日中の疲労感や集中力の低下を引き起こします。

全身の姿勢への影響

口呼吸をしていると、舌の位置が下がり、顎や首、肩周りの筋肉に負担がかかり、姿勢が悪くなることがあります。

口呼吸を改善する方法

鼻呼吸を意識する

日常的に鼻で呼吸することを意識しましょう。

歯科治療や矯正治療を受ける

歯並びや顎の形が原因で口呼吸になっている場合は、歯科医師による治療が有効です。必要に応じて矯正治療を受けることで、自然と鼻呼吸に切り替わることがあります。

口周りを鍛える

口の周りの筋肉を鍛えるトレーニングや、舌の位置を改善する「あいうべ体操」などを取り入れることで、口呼吸を改善できます。

鼻の通りを良くする

鼻づまりやアレルギーが原因で口呼吸になっている場合は、耳鼻科を受診し、適切な治療を受けましょう。

まとめ

今回は口呼吸が引き起こすリスクや改善方法について、歯科の視点からご紹介しました。

口呼吸は、お口や全身の健康に多くの影響を与える可能性があります。特に、虫歯や歯周病、歯並びの乱れ、さらには免疫力の低下など、さまざまなリスクが伴います。

「自分や子どもが口呼吸をしているかもしれない」と感じたら、早めに歯科医院へご相談ください。当院では、口呼吸が引き起こす問題に対し、適切な治療と予防法を提案することで、健康な生活をサポートしております。お気軽にご相談下さい。