お口のバランス

前回、前々回に口腔筋機能療法(MFT)について、悪習癖を舌・口唇・頬筋・咀嚼筋などの口周りの筋肉のトレーニングを通して整えていく療法と紹介しましたが、そもそも整ったバランスの良いお口とはどのような状態なのでしょうか。今回はお口のバランスについてご紹介します。

 

歯は、唇・頬・舌などの筋肉に囲まれています。そのため、歯並びは、舌が外側へ押し出す力、唇や頬が内側に押す力、上下の歯が咬みこむ力が大きく影響します。

これらのバランスが取れることによって、歯がきれいなアーチ状に並んで生えてきます。

お口のバランス

 

例えば、口がポカンと開く癖があり、唇の力が弱く、舌が外側へ押し出す力が強くなってしまうと、徐々に前歯が外側へ押し出されて出っ歯になってしまいます。

他にも、片側ばかりの歯で噛む癖があると、歯並びや口周りの成長が左右非対称になり、顔にゆがみが出る場合もあります。

 

このような歯並びが乱れる癖や習慣を「悪習癖」と呼びます。指しゃぶりや口呼吸、爪や唇を咬む、歯ぎしり食いしばりなどもこれにあたります。しかしこれらは、無意識で行っていることが多く、改善するには本人の意識や、周りの協力が必要です。

MFTは、これらの悪習癖を舌・口唇・頬筋・咀嚼筋などの口周りの筋肉のトレーニングを通して整えて、リラックスした状態でも、唇を閉じて舌は上あごのスポットに付ける、その状態を維持しながら正しく食べる・飲み込む・発音できることが目標です。

これらができるようになると、きれいな歯並びだけでなく、鼻呼吸やきれいな姿勢にもつながります。

いい姿勢

また、矯正治療とMFTを並行して行うことで、後戻りを防ぎ、矯正治療をスムーズに進めることができます。

コロナ禍では、マスク生活で息苦しく口呼吸になる機会も多くなっています。気がついた時には口を閉じるように意識するなど、少し意識してみましょう。お子様にも教えてあげてくださいね。

マスク生活でも鼻呼吸を

MFTについて詳しく知りたい、歯並びが気になる方はお気軽にご相談下さい。

正しいお口のバランスを保ち、きれいな歯並びにするために、健康なお口を維持しましょう。

 

「口腔筋機能療法(MFT)」については、下記のコラムも併せてご覧ください。

 

瓢箪山の歯医者・医療法人小川歯科医院院長・歯科医師 小川清二

記事監修医

瓢箪山の歯医者
医療法人小川歯科医院
院長・歯科医師 小川清二

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