歯の構造や役割について
⻭の役割は⾷べ物を噛むだけではありません。会話をするときに発⾳したり、表情を豊かにしたり、⾷べものを噛むことで脳に刺激を与えたりと様々で、⽣活をする上で⽋かすことのできない役割をしています。
あなたは歯のことについてどれぐらい知っていますか?今回は意外と知らない歯の構造や役割についてご紹介します。
⻭の本数と生え変わりについて
⻭の本数は乳⻭は20本、永久⻭は28本に親知らず(第3⼤⾅⻭)4本を含めると32本あります。
12歳頃までに乳⻭は永久⻭へと⽣え変わります。⽣えたての⻭はとても柔らかく、酸に弱いため⾍⻭になりやすい状態です。しっかり虫⻭予防をして、⽣えたばかりの⻭を守ってあげましょう。
歯の生え変わりの仕組み
歯の生え変わりがどのようにして行われるのかご存知ですか?表面には見えていない顎の中でどのようなことが起こっているか見てみましょう。
①顎の中で永久歯が少しずつ成長しています。
②永久歯が成長してくると、乳歯の根が少しずつ溶かされていきます。
③乳歯の根が溶けてなくなると、ぐらぐらして抜け落ち、永久歯に生え変わります。
レントゲン写真でも、乳歯の下に成長している永久歯が写っているのを確認できます。
このように乳⻭は、永久⻭が⽣えるまでの間、⾷物をかんだり、正しい発⾳をしたり、顎の発育を助けるための役割があります。さらに⼤きな役割として、永久⻭が正しく⽣えてくるためのスペースを維持するという役割があります。
そのため、乳⻭を⾍⻭の状態で放置したりして早期に失ってしまうと、失った乳⻭の下から出てくる永久⻭の⽣えるスペースが無くなってしまい、⻭並びが悪くなってしまう可能性があります。乳⻭の虫⻭もしっかり治療しておきましょう。
お⼦様だけでは⼗分にお⼝のケアをすることができないため、保護者や⼤⼈の⽅の協⼒が必要です。
⻭磨きはもちろんですが、⾷事・おやつの内容や時間、量などしっかり管理してあげましょう。
歯の構造
図は⻭の断⾯図です。エナメル質や象⽛質、⻭髄などの⻭茎より上の部分の「⻭冠部」とそれより下の⻭⾁や歯根膜、⻭槽⾻などの「⻭根部」から成り⽴っています。
⻭髄には⾎管や神経組織が⼊り組んでいます。虫⻭や⻭周病が進⾏すると、⻭が酸で溶かされて薄くなったり、普段外側に露出してない象牙質の部分が露出したりして、刺激が神経に伝わりやすい状態になるため、しみたり痛んだりという症状がでてきます。
⻭の本数の推移
厚⽣労働省 平成28 年⻭科疾患実態調査(https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/62-28.html)より
このグラフは、平成28年に厚⽣労働省より公表された80歳で20本以上の⻭を有する者の割合です。
近年では自分の⻭を大切にすることの重要さが徐々に浸透し、80歳で20本以上の⻭を有する者の割合が増加しています。最初にも述べたように、自分の⻭がたくさん残っていると、しっかり噛めておいしく食事ができるとともに、健康でいきいきとした⽣活につながります。歯を大切にするための第一歩として、歯の検診を受けてみてはいかがでしょうか。
歯の寿命
厚生労働省の平成11年歯科疾患実態調査によると、歯の平均寿命が最も長いのは男では下顎左および右側の犬歯で66.7年、女は下顎右側犬歯で66.2年。最も短いのは男女とも下顎左側第2大臼歯で、男50.0年、女49.4年となっています。
しかし、最近では80歳になっても20本以上自分の歯を保とうという「8020(ハチマルニイマル)運動」が推進されており、予防歯科の重要性が認知されてきています。小さいころからお口のケアの習慣をつけることで、できるだけ長くご自身の歯でいきいきとした生活を楽しみたいですね!
参考
テーマパーク8020 https://www.jda.or.jp/park/function/index.html
厚生労働省 平成11年歯科疾患実態調査の概要https://www.mhlw.go.jp/topics/0105/tp0524-1.html#kekka