治療途中の歯を放置するとどうなる? ~虫歯や歯周病を悪化させないために~

記事公開日:2022年10月19日/更新日:2025年10月8日

「歯の治療途中で痛みがなくなったから歯医者に行くのをやめた」、「仕事や学校が忙しくて、つい治療が中断したまま…」こんな経験はありませんか?

歯の治療は1回で終わることが少なく、何度か通院が必要です。しかし、「痛みがないから大丈夫」と途中でやめてしまうと、思わぬリスクにつながることがあります。

今回は、歯の治療を中断したときに起こり得るトラブルと、その対策についてご紹介します。

 

歯の治療を途中でやめると起こるリスク

① 虫歯や歯周病が悪化する

歯の痛み

歯の病気は自然に治ることはありません。例えば虫歯の場合、一時的に痛みがなくなっても進行は止まらず、やがて神経や骨にまで広がり、最終的には歯を失う原因になります。

また、削った歯を仮の状態のまま放置すると、食べ物が詰まりやすく、再び虫歯になりやすい環境になってしまいます。治療が長引くだけでなく、痛みや費用の負担も大きくなります。

 

② 他の歯や噛み合わせにも悪影響

他の歯への影響

治療途中で削った歯や抜けた歯を放置すると、隣の歯が倒れてきたり、噛み合う歯が伸びてきたりして、歯並びや噛み合わせが乱れることがあります。

その結果、顎関節症や肩こり、頭痛など全身に影響することも。

特に歯周病の場合は、口腔内だけでなく心筋梗塞や糖尿病の悪化など、全身の健康リスクにもつながります。

 

③ 治療期間・費用が増える

歯科定期健診

中断して症状が悪化すると、最初の治療よりも時間も費用も多くかかることが一般的です。

さらに一度通院をやめてしまうと「行きづらい」と感じ、受診が遅れて悪循環に陥るケースも少なくありません。

 

④ 虫歯菌や歯周病菌が周囲にうつる

子どもの健康なお口

虫歯や歯周病は感染症です。唾液を介して家族やパートナー、特に小さなお子さんに移ることもあります。「忙しいから…」と治療を後回しにすることが、実は大切な人の健康リスクにもつながるのです。

 

治療を途中でやめないためのポイント

  • 治療開始前に「大まかな通院回数・治療期間」を歯科医師に確認しておく
  • 学校や仕事が忙しい方は「短時間でも通える日」を一緒に相談する
  • 痛みがなくても、次回予約をキャンセルせずに続ける
  • 定期健診を習慣化して、治療後の再発を予防する

 

よくある質問

Q. 痛みがなくなったのに、通院を続ける必要はありますか?

A. はい。痛みがなくても虫歯や歯周病は進行している可能性があります。最後まで治療を完了することが再発防止につながります。

 

Q. 忙しくてどうしても通院できないときは?

A. そのまま放置せず、まずは歯科医院にご相談ください。症状や生活に合わせて無理のない通院計画を立てることができます。

 

Q. 治療を中断して数年経ってしまいました。今からでも受診すべきですか?

A. もちろんです。時間が経っていても治療は可能です。進行度を確認し、治療法をご提案します。


まとめ

歯の治療を途中でやめてしまうと、

  • 病気の悪化
  • 他の歯や噛み合わせへの影響
  • 治療期間や費用の増加、
  • 家族への感染リスク

といった多くのリスクが生じます。

「痛みがないから」「忙しいから」と自己判断せず、最後までしっかり治療を受け、定期健診で再発予防をすることが大切です。

大切な歯を守るために、ぜひ計画的に治療を進めましょう。

 

下記のコラムも併せてお読みください。

歯の治療が1回で終わらないのはなぜ?

瓢箪山の歯医者・医療法人小川歯科医院院長・歯科医師 小川清二

記事監修医

瓢箪山の歯医者
医療法人小川歯科医院
院長・歯科医師 小川清二

プロフィールはこちら

一覧へ戻る