TCHとは歯列接触癖(tooth contacting habit)の略で、上下の歯を持続的に接触させる癖のことを言います。あなたは1日のうちどれぐらい上下の歯が接触しているか思い浮かべてみてください。
実は、1日のうち上下の歯が接触している時間は、食事や会話などを含めても20分程度が正常だと言われています。
噛みしめや食いしばりだけでなく、軽い歯の接触も時間が長くなるとお口に負担がかかります。なんとなくあごがだるいような感覚はあっても、自覚症状がないため気づきにくいことも。
今回は、TCHがどんなトラブルを引き起こすのか、また、原因や予防と改善方法についてご紹介します。
安静時に正常なお口の状態とは?
通常、安静時には、唇を閉じていても上下の歯の間には前歯に2~3mmの隙間があります。繰り返しになりますが、食事や会話などを含めても1日に上下の歯が接触している時間は20分程度が正常です。
正面を向き姿勢を正して、唇を軽く閉じて上下の歯が接触しないようにしたときに、違和感があったり、数分維持できない場合はTCHの可能性があります。
TCHが引き起こすトラブル
軽い力でも常に上下の歯が接触していると、お口だけでなく、からだのトラブルを引き起こす可能性もあります。
- 顎関節症
- あごのだるさや口周りの筋肉の疲労
- 歯が割れる・かける・ひびが入る
- 詰め物・被せ物などの破損
- 歯周病や知覚過敏の悪化
- 噛んだ時に痛みがでる(咬合痛)
- 頭痛や肩こり など
TCHに関わる生活習慣
こんな生活習慣に思い当たることはありませんか?
- デスクワークなど長時間同じ姿勢をとることが多い
- スマホの操作など、俯いた姿勢をとることが多い
- 頬づえをつく
- うつぶせで寝る
- 歯をくいしばる、歯ぎしりをする
- ストレスや緊張する場面が多い
TCHの予防と改善方法
TCHの予防と改善には、まず「しない意識をする」ことが大切です。歯の接触は無意識のことが多いので、よく目につくところに「歯を離す」と書いたメモを貼っておくと良いでしょう。
また、同じ姿勢が長時間続かないように適度な休憩を取り、からだを動かしたり、ストレスをため込まず上手に発散することが大切です。
また、気になる場合はかかりつけの歯科医院や当院にご相談下さい。
当院の顎関節外来
当院では、あごの違和感やトラブルの原因の分析を行い、食事指導、悪習慣の改善指導はもちろん、噛み合わせ治療も必要に応じて行っております。中には偏頭痛、肩こりと関連している場合もあり、治療により症状が改善されることもあります。
あごの症状や偏頭痛、肩こりがひどいという方も、一度ご相談ください。顎関節外来ページも併せてご覧ください。
まとめ
今回は、TCHがどんなトラブルを引き起こすのか、また、原因や予防と改善方法についてご紹介しました。
あごのトラブルは、様々な原因が重なって症状になると考えられていますが、口腔内の状態を診てわかることもありますので、お気軽にご相談下さい。