からだの健康はお口から!歯周病と全⾝の関係

お⼝とからだは密接な関係があります。⼝はからだの⼊り⼝であるため、⼝から取り⼊れたものが全⾝に⾏き渡ります。そんなお⼝が清潔でなければどうでしょうか︖

お⼝とからだの関わりについてご紹介します。

歯周病セルフチェック

まずは⻭周病セルフチェックをしてみましょう︕

☑ ⻭を磨くと出血する。

☑ ⼝臭が気になる。

☑ 歯茎がはれている。

☑ ⻭が以前より⻑くなったような気がする。

☑ 歯茎がぶよぶよする。

☑ ⻭と⻭の間に⾷べ物がよくはさまる。

☑ ⻭がグラグラする。

☑ 朝起きたとき、⼝の中がネバネバする。

 

以上の項⽬に1つでも当てはまったら、⻭周病の恐れがあります。当てはまる数が多いほど、⻭周病の可能性が⾼まります。年齢関係なく、若い⼈でも⻭周病になりますので、注意が必要です。

 

お⼝の汚れが全⾝に影響を与えるメカニズム

からだとは無関係の様に感じるお⼝の汚れは、どうやって全⾝に影響を与えるのでしょうか︖

実は、⻭と⻭茎の間には⻭⾁溝というわずかな境⽬があります。

歯肉溝と歯周ポケット

清掃が⾏き届かず、そこに⻭垢(プラーク)などの汚れが蓄積すると、⻭茎に炎症が起きて腫れたりして⻭周病になります。

その状態が進⾏すると、⻭と⻭茎の境⽬はどんどん深くなり、⻭周ポケットになります。

そして⻭周ポケットからは、⻭茎の炎症に関連した物質が⾎管を経由して体中に⾏き渡り、様々な病気を引き起こす原因となってしまいます。

 

⻭周病が引き起こす様々な疾患

⻭周病は全身に⾏き渡った結果、以下の様な様々な疾患を引き起こします。

 

⻭周病と糖尿病

様々な疾患の中でも、⻭周病は糖尿病の合併症のひとつと⾔われており、糖尿病の⼈は糖尿病でない⼈に⽐べて、⻭周病になりやすいことがわかってきました。

また、⻭周病が⾎糖値を下げようとするインスリンの働きを悪くし、⾎糖コントロールが悪くなり糖尿病を悪化させてしまうという報告もされています。

相互に悪影響を及ぼし合っていると考えられるため、⻭周病の治療で糖尿病が改善することもわかってきています。

⻭周病と糖尿病

⻭周病と⼼疾患

⻭周病菌は⾎管を通り、炎症に関連した物質が動脈硬化も促進します。その影響で⾎液が滞り⼼臓病を招きます。

 

⻭周病と⾻粗鬆症

⻭周病は⻭を⽀える⼟台である⾻を破壊します。⻭周病も⾻に関わる病気のひとつであり、⾻量が少ないと、⻭を⽀える⾻も破壊が進みやすくなります。

 

⻭周病と誤嚥性肺炎

⾷べ物と⼀緒に唾液中に含まれる⻭周病菌を誤嚥することで、気管に⻭周病菌が⼊り込み、炎症を引き起こします。嚥下機能の低下によって引き起こされることが多くなるので、特に⾼齢者や免疫⼒が低下している⽅は注意が必要です。

誤嚥性肺炎

 

⻭周病と早期低体重児出産

妊娠すると⻭ブラシを⼝に⼊れるだけで気分が悪くなったり、⼥性ホルモンの影響で⻭周病になりやすくなるといわれています。

全⾝に回った⻭周病菌は胎盤を通して、胎児にも影響を与えるため、早期低体重出産の確⽴が⾼まると考えられています。⽣まれてくる⾚ちゃんのために、普段以上に⻭周病予防に気を付けることが⼤切です。

 

⻭周病とメタボリックシンドローム

糖尿病との関係にもありましたが、⻭周病菌には、インスリンの働きを抑えて⾎糖値を上昇させる働きがあります。また、動脈硬化などその他の疾患も密接に関わり合うため、⻭周病はメタボリックシンドロームとも関連性が⾼いと考えられています。

 

ここに挙げたもの以外にも、⽣活習慣病や様々な疾患につながります。

⻭周病の治療は、早期発⾒・早期治療が⼤切です。当てはまらなかった⽅も、⻭周病予防のためにかかりつけの⻭科医院で定期的な健診を受け、正しい⼝腔ケアを⼼がけましょう。

 

当院の歯周病の治療

プラークコントロール

プラークコントロールとは、⻭みがきやクリーニングで、できるだけプラーク(細菌)の量を減らして、⾃分の⻭や⻭⾁などからだに悪い影響出ないようにプラークの増殖を抑制し、コントロールしておくことです。まずは患者様にプラークコントロールの重要性をご説明し、認識してもらいます。その上で、プラークをためこまない⽅法を指導します。

 

歯茎の状態を改善

溜まっている⻭⽯や⻭垢を繰り返し取り除き、歯茎の状態を改善します。これは⻭周病の基本になる治療です。スケーラーと呼ばれる器具を使って、⻭の表⾯に付着した⻭⽯を除去します。⻭の根っこの⽅まで⻭⽯がたまっている場合は、ルートプレーニングという⽅法で⻭⽯を除去します。

ルートプレーニングは、歯茎の中に埋まって⾒えない⻭の根部分の表⾯の汚れを除去し、滑らかにする⽅法です。

お口のクリーニング

 

ミクロレベルでの治療

当院では3200倍という医療⽤の顕微鏡を使い、⾁眼ではわからない細菌の状態を調べます。特定の菌が発⾒されたら、その菌に特に効果のあるお薬を処⽅する場合があります。

ミクロレベルでの治療も⾏って⻭周病の原因となる菌を根本から減らし、⼝の状態を改善していきます。

 

定期的なメンテナンス

⻭周病治療後は、定期的なメンテナンスで、プロによるクリーニングや、ひとりひとりに合った正しいブラッシング指導を受け、⻭周病だけでなく⾍⻭などさまざまなお⼝のトラブルを予防していきます。

歯磨き指導

詳しくは「予防歯科」「歯周病治療」をご覧ください。

 

参考

特定⾮営利活動法⼈ ⽇本臨床⻭周病学会 http://www.jacp.net/perio/effect/

糖尿病情報センター http://dmic.ncgm.go.jp/general/about-dm/070/040/01.html

厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト e-ヘルスネット

歯周疾患の有病状況

公益財団法⼈ライオン⻭科衛⽣研究所
https://www.lion-dent-health.or.jp/100years/article/health/001.htm

瓢箪山の歯医者・医療法人小川歯科医院院長・歯科医師 小川清二

記事監修医

瓢箪山の歯医者
医療法人小川歯科医院
院長・歯科医師 小川清二

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