健康な歯でいつまでも食事を楽しむために「8020運動」

記事公開日:2018年9月10日/更新日:2023年6月7日

「8020(ハチ・マル・二イ・マル)運動」をご存知ですか?「8020運動」は、「80歳になっても自分の歯を20本以上保とう」という運動です。歯は、親知らずを除き28本ありますが、20本以上の歯が残っていれば、ほぼ満足に食生活を送ることができると言われています。

今回は8020を達成することの重要性や、達成するためにどのような取り組みがあるのかなど「8020運動」についてご紹介します。

 

8020を達成するメリット

食事を楽しむ

8020を達成することは以下の様な多くのメリットがあります。

  • 食事を楽しむことができる
  • 色々なものが食べられるため、栄養状態が良くなる
  • はきはき喋ることができ、コミュニケーションに繋がる
  • 豊かな表情で若々しい印象を与える
  • 自分の歯でよく噛めることで消化器官の負担を減らし、消化吸収を助ける
  • 医療費や治療時間などの負担が減る
  • 全身の健康に繋がり、QOL(生活の質)が維持できる

 

8020 達成者の割合

8020水位

厚生労働省 平成28 年歯科疾患実態調査(https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/62-28.html)より

グラフは、平成28 年に厚生労働省より公表された80歳で20本以上の歯を有する者の割合です。8020 達成者が調査開始時より増加していることがわかります。

では、8020を達成するためには、どのような取り組みをすればいいのでしょうか。

 

「8020」を達成するために

歯を失う主な原因は歯周病と虫歯です。これらをしっかり予防していくことで、多くの歯を残すことができます。そのためには以下の3つのポイントをこころがけましょう。

①かかりつけの歯科医院を持ち、定期健診に通う

歯科定期健診

歯科定期健診では、お口のチェックや歯磨き指導、プロフェッショナルケア(歯科医師や衛生士による専門的な口腔ケア)を行います。長期的にお口を管理することで、虫歯や歯周病になりにくいお口の環境づくりや、お口のトラブルの早期発見・早期治療、お口への関心やモチベーションアップに繋げることで、歯の健康を守ります。

 

②正しい歯磨き

正しい歯磨きの実践

歯磨きの主な目的は、虫歯や歯周病の原因となるプラーク(歯垢)を取り除き、数を減らすことです。そのためには歯科定期健診で正しい歯磨きの仕方を身に付けるとともに、ご自身のおくちに合った歯ブラシや歯磨き剤などのケア用品を使い、効果的にプラークを落としましょう。また、食べたら歯を磨くことを心がけましょう。

 

③規則正しい生活

1日3食しっかり食べる、間食し過ぎないことに注意して、食事の内容や回数、時間などを管理しましょう。糖質のとりすぎや、だらだら食べ、寝る前に食べるなどを避けて、食習慣を整えましょう。

これに加え、睡眠や適度な運動も心がけ体調を整えることもお口の健康に繋がります。

 

健康なお口作りは生まれる前からはじまっています

お母さんと赤ちゃんの健康の関係

実は健康なお口作りは、胎児期からはじまっています。歯の形成は妊娠中から始まり、お母さんのお口とからだの健康や食事への配慮が、赤ちゃんの健康にも繋がります。

子どものお口の健康状態は、親や身近な大人の協力がなければ管理できません。歯磨きはもちろん、食事の内容や回数、甘いものを食べ過ぎていないか、しっかり噛んでいるかなども気にかけてあげてください。

健康なお口作りの取り組みは、早ければ早いほど良いです。3歳頃までに虫歯菌の感染を防ぐことができれば、虫歯になりにくくなるとも言われています。

しかしこの時期を過ぎても遅くありません。子どものころから歯科医院に通ったり、虫歯予防やケアの習慣を身につけることが8020の達成へとつながります。

お⼝のチェック

もちろん大人の方も、今から予防を始めることで、将来のお口の状態がかわってきます。すでに虫歯や歯周病になっている方や歯を失ってしまった方は、お口のトラブルが悪化しないようにまずはしっかり治療をしてから予防歯科に取り組みましょう。

 

まとめ

今回は8020を達成することの重要性や、達成するためにどのような取り組みがあるのかなど「8020運動」についてご紹介しました。

歯科医院は、虫歯や歯周病を治療しに行くところから、痛いところがなくても定期的に通いお口のトラブルを予防するところへと変わってきています。歯科定期検診に通い予防をしている人と・していない人では、将来歯が残っている本数に大きく差がでてきます。

当院でも、予防歯科の重要性に着目し、早くから予防中心型の治療に取り組んでおり、担当衛生士による長期的なお口の管理やクリーニングだけでなく、生活習慣のアドバイスや歯磨き指導など一人ひとりにあった最適なケアをご提案することで、皆様のお口の健康をサポートしております。

お体を悪くされて通院が難しい方でも、距離は限られておりますが送迎や往診を行っておりますので、詳しくはお気軽にご相談下さい。

 

参考

厚生労働省 平成28 年歯科疾患実態調査  https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/62-28.html

8020 推進財団  https://8020zaidan.or.jp/index.html

瓢箪山の歯医者・医療法人小川歯科医院院長・歯科医師 小川清二

記事監修医

瓢箪山の歯医者
医療法人小川歯科医院
院長・歯科医師 小川清二

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