噛むといいこといっぱい!知っておきたいよく噛むためのポイント

2018年より特定検診の質問票に「咀嚼」に関する質問が加わりました。噛むことと身体の関係が注目されはじめています。子供のころ「よく噛んでゆっくり食べなさい」と言われたことがある方もいるのではないでしょうか?では、よく噛んで食べることは⾝体にとってどのような効果があるのでしょうか?今回は「噛む」ことについてご紹介いたします。

よく噛んで食べることの効果

お⼝の中を清潔に保つ

よく噛むことで唾液がたくさん出て⼝の中をきれいにし保ち、虫⻭や⻭周病などのリスクを減らします。

お⼝の中を清潔に保つ

⽣活習慣病の予防

ゆっくり時間をかけてよく噛んで食べることにより、少量でも満腹感を感じやすくなり、必要以上に食べ過ぎることを防いで肥満予防になります。

脳の働きを活発にする

よく噛むことで脳への⾎液の流れが良くなり、脳が刺激されて働きを活発にします。

発⾳と表情がよくなる

よく噛むことで、⼝の周りの筋⾁を使い、発⾳がはっきりし、若々しい表情を保つことができます。

発⾳と表情がよくなる

味覚の発達

よく噛むことで、⾷材の味をしっかり感じることができます。⾷事が楽しくなります。

全⾝の健康につながる

お口でしっかり食べ物を細かくすることで飲み込みやすくなり、消化器官の負担を減らします。

全⾝の健康

 

噛まないとどうなるの?

「噛まない」または「噛めない(噛む⼒が低下する)」とどのようなことが起こるのかも併せてご紹介します。

早食い

唾液の量が減る

よく噛むと唾液が出やすくなります。つまりその逆で、噛む回数が少ないと唾液の分泌量が減り、それに伴い唾液の働きである⾃浄作⽤(お⼝の中を清潔に保つ働き)も減ってしまいます。これにより⼝臭が出やすくなったり、⾍⻭になりやすくなってしまいます。

栄養バランスが悪くなる

あまり噛まなくても飲み込める柔らかい食べ物が多くなると、食べ物の種類が限られてくるので、栄養が偏る傾向にあります。柔らかい食べ物には、⽔分や油分の多い調理法が多く、油分の多い食べ物の場合⾼カロリー・⾼コレステロールになる可能性もあります。また、噛み応えのある⾷物繊維が多い食べ物の摂取が減ると、便秘になりやすくなる場合もあります。

 

⼝周りの筋⼒の低下

噛む回数が減ると、噛むために使われていた⼝周りの筋⼒が低下してしまいます。そのことによりより、ますます噛みにくくなったり、顔のたるみやシワにもつながって、⽼けた印象になります。

顔のたるみ

QOL(⽣活の質)の低下

「噛まない」または「噛めない」ことによって起こる健康や見た⽬の影響から、外出の機会が減ったり、好きなものが食べることができずに⾷事が楽しめなくなったり…と⽣活⾯にも影響が出てしまいます。これらは⾼齢者だけの問題と思われがちですが、若くても⼦供でも起こりうることです。

よく噛まない理由として、「噛めない」状態ではないでしょうか。噛むためにはお⼝が健康であることがとても⼤切になってきます。⾼齢者の場合は、筋⼒の低下や⻭の喪失、入れ⻭があわないといった原因で噛めなくなることがありますが、若い方でも⾍⻭や⻭周病などトラブルがある⽅はきちんと治療し、健康な⽅はしっかり予防しましょう。

 

よく噛むためのポイント

近年では柔らかい食べ物が好まれることも多く、⼦供の時から柔らかい食べ物をよく⾷べたり、⼀⼈暮らしや親の共働き、⼦どもの習い事などが増え、ご飯を⼀⼈で⾷べることが多いと⾃然と早食いになってしまったり…など噛まない習慣がつくシチュエーションが⾝近にたくさんあります。
それでは、よく噛むためにはどのような事をすればいいのでしょうか。よく噛むためのポイントを押さえておきましょう。

 

正しい姿勢で食事をする

⾜の裏をしっかり床につけて椅⼦に座りましょう。特に⼩さいお⼦さんは⾜元がぶらぶらならないように台を置いて⾜が床に着くようにしましょう。
テレビを⾒たり、ながら⾷べをしないようにして、⾷事に集中しましょう。

食事の姿勢

 

噛む回数を意識する

ひとくち30回以上噛むことを⽬標にして⾷事をしてみましょう。少しでも意識することで噛む回数に変化が出ます。

噛む回数

飲み物で流し込まないようにする

しっかり噛んでから飲み込み、飲み物はその後に飲む習慣をつけて、飲み物で流し込まないようにしましょう。

ゆっくり⾷べる

急いで⾷事をすると、よく噛まずに飲み込んでしまいがちです。時間に余裕をもって、ゆっくり味わって⾷事をしましょう。

噛み応えのある⾷材を使う

噛み応えのある⾷材を、いつもの⾷事に加えるだけで噛む回数がアップします。繊維質の多い野菜や弾⼒のあるこんにゃくなどの素材を使⽤したり、トッピングにナッツ類を使うだけでも噛む回数に変化が出てきます。
噛み応えのある⾷材と柔らかい食材を組み合わせると、⾷感に変化が出て飽きずに食べやすくなります。

切り方や調理⽅法を⼯夫する

同じ⾷材でも切り⽅ひとつで噛む回数が変化します。例えば、薄切りにしていた野菜を乱切りにするなど無理のない程度に工夫しましょう。お子様の場合は年齢に合わせて大きさは調整してください。
火を通す料理は、煮込みすぎたり炒めすぎたりすると、⾷材が柔らかくなりすぎてしまいます。必要以上に⾷材に⽕を通し過ぎないようにしましょう。
よく噛むためのレシピも様々なものが公開されていますので、参考にしてみてくださいね︕

●噛む︕カム︕レシピ(テーマパーク8020) https://www.jda.or.jp/park/knowledge/index13.html

食べ物の切り方を工夫する

⾷べることを楽しむ

⾷事を楽しむことは、⾝体にも⼼にも⼤切な事です。誰かと⼀緒に⾷事をしたり、好きなものを⾷べたり、楽しんで⾷事をしましょう。

食べることを楽しむ

 

習慣を変えることが難しいですが、これらを意識して⾷事をしてみてください。特に⼦供は顎が発達をしている最中ですので、しっかり噛むことが顎の正しい成⻑を促します。お⼦さんがいる⽅は、噛むことの⼤切さや⾷事の楽しさを教えてあげてくださいね︕
ご⾃⾝の⻭で⾷事ができることは食事の喜びにもつながりますので、しっかりケアもしていきましょう。
参考
テーマパーク8020 https://www.jda.or.jp/park/eatright/ https://www.jda.or.jp/park/function/index08.html
Club Sunstar https://www.club-sunstar.jp/article/lifestyle/brushing/2174/
瓢箪山の歯医者・医療法人小川歯科医院院長・歯科医師 小川清二

記事監修医

瓢箪山の歯医者
医療法人小川歯科医院
院長・歯科医師 小川清二

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