「お口の健康は全身の健康につながる」と聞いても、あまり実感がわかない方も多いかもしれません。実はお口の中の状態は、心臓や血管、糖尿病など、体のさまざまな病気と深く関わっていることが、これまでの研究でわかっています。さらに新しい研究では、歯を失った本数と循環器疾患との関係が報告されています。今回は、お口と全身の病気のつながりについてご紹介します。
歯を数本失うだけでも要注意
2026 年 7 月、大学の研究グループから、40〜64 歳の方およそ 55 万人を対象にした研究結果が発表されました。その結果、歯を失った本数が多い人ほど、その後に心筋梗塞や脳卒中などの循環器疾患を発症するリスクが高くなる傾向が確認されました。
特に注目されたのは、歯を 1〜4 本失った段階でリスクの上昇幅が大きかったことです。
歯の 1 本ぐらいと思っていても、お口の中だけでなく全身に大きな影響を及ぼしかねません。
お口と全身の病気、実はこんなに関係があります
歯周病と糖尿病はお互いに悪化させ合う関係にあります。歯周病があると糖尿病の血糖値が上がりやすくなり、逆に糖尿病があると歯周病も進行しやすくなります。相互に影響し合っているため、歯周病の治療によって血糖値の改善がみられることもわかってきました。
誤嚥性肺炎は、食べ物と一緒に唾液中の歯周病菌を誤って気管に吸い込んでしまうことで、気管や肺に炎症が起こる病気です。
また、歯ぐきの炎症が続くと、歯周病菌が血管の中に入り込み、血管の壁を傷つけて動脈硬化につながることもあります。歯周病菌が血流に乗って全身へと運ばれ、心臓や血管の病気に影響を与えている可能性があるのです。
お口は食べ物や細菌の入り口であると同時に、体全体の健康状態を映し出す場所でもあるのです。
歯を失う主な原因は「歯周病」と「むし歯」
歯を失う原因として特に重要なのが、歯周病とむし歯です。
むし歯が進行すると、歯の内部まで細菌による感染が広がり、歯を残すことが難しくなる場合があります。
一方、歯周病では歯ぐきの炎症が長期間続くことで、歯を支えている骨が少しずつ失われていきます。
歯周病が進行すると、歯ぐきから出血する→歯ぐきが腫れる→歯が動く→歯と歯の間に食べ物が詰まりやすくなる→口臭が気になる→最終的に歯を失うといった変化が起こります。
そして厄介なのは、歯周病は進行するまで強い痛みが出ないことがあるということです。「痛くないから大丈夫」とは限りません。
今日からできること
日々の正しい口腔ケア
毎日の歯みがきに歯間ブラシやデンタルフロスを取り入れ、歯と歯の間の汚れまでしっかり落としましょう。
生活習慣の見直し
禁煙は、歯周病と循環器疾患のどちらのリスクを減らすうえでも効果的です。また、甘いものの摂り過ぎに気をつけ、栄養バランスのとれた食事を意識することも、歯と体の健康につながります。十分な睡眠をとり、ストレスをためすぎないようにすることも、歯ぐきの炎症を悪化させないために大切なポイントです。
定期的な歯科医院でのチェック
歯周病や初期の虫歯は自覚症状が少なく、気づいたときには歯を失う一歩手前ということも少なくありません。
まとめ
今回は、お口と全身の病気のつながりについてご紹介しました。お口の中の小さなトラブルも、放っておくと全身の病気につながることがあります。
今回ご紹介した研究のように、歯を数本失っただけでも、体には変化が起き始めているかもしれません。歯を失ってから後悔しないよう、日頃のセルフケアと定期検診で、お口と体の健康を一緒に守っていきましょう。
医療法人小川歯科医院は瓢箪山で開業 40 年、40,000 人以上の患者さまを診てきた予防歯科に力を入れる歯科医院です(2026 年 9 月現在)。厚生労働省が定める口腔機能管理体制強化加算の施設基準も満たしており、お口だけでなく全身の健康を見据えた定期検診をご提案しています。
「最近歯が抜けた」「歯ぐきが気になる」という方は、大きな病気につながる前に、ぜひ一度当院にご相談ください。
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参考文献・引用元
東北大学プレスリリース「中高年層における歯の喪失本数と循環器疾患の関連を明らかに ―1〜 4 本の喪失でも、循環器疾患リスクが上昇―」(2026 年 7 月 15 日、東北大学大学院歯学研究科草間太郎講師らの研究グループ)













