口から入ってくる細菌などから体を守る唾液の働きは、新型コロナウイルスの影響で注目が集まりましたが、「唾液中のタンパク質が新型コロナウイルスの感染を予防する可能性がある」と大阪公立大学大学院の研究グループによって発表され、さらに注目が集まっています。
今回は注目の唾液についてご紹介します。
唾液の働き
細菌が増えるのを抑える抗菌作用
虫歯や歯周病だけでなく、口から入ってくる細菌の増殖を抑えます。
食べ物の消化を助ける消化作用
よく噛み、唾液をたくさん出すことで、食べ物をまとめて飲み込みやすくしたり、デンプンを分解して消化しやすくします。食べ物の味もしっかり感じやすくします。
お口の粘膜を守る粘膜保護作用
唾液は口の粘膜が傷つきにくいように保護しています。唾液が少なくなり、乾いてしまうと口の中が傷つきやすくなってしまいます。
口の中を中性に保つ中和作用
食事をした後は口の中は酸性に傾き、虫歯になりやすい環境になってしまいます。唾液がこれを中和して歯を守ります。
お口のトラブルを治す修復作用
食事をすると酸の影響で歯の成分が溶かされます。この成分を元に戻す歯の再石灰化や、口の中の傷を治りやすくする働きがあります。
お口をきれいにする洗浄作用
唾液が食べかすを洗い流して、口の中を清潔に保ちます。
唾液が減る原因とトラブル
唾液が減る原因は、加齢、薬の副作用、ストレス、口呼吸、喫煙、不規則な生活、疾患の影響などが関わっていると言われています。
唾液が減ると、口が乾燥する、口臭が気になる、食べ物が飲み込みにくい、話しにくくなる、口がねばねばする、虫歯になりやすいなど様々なお口のトラブルが起こりやすくなります。
唾液の分泌を増やすには
唾液の分泌を促すためには、水分補給、よく噛んで食べる、唾液腺マッサージ、舌やお口の体操が効果的です。
唾液からわかるお口環境
唾液に含まれる成分や菌の数を調べることで、お⼝健康状態を知ることができます。
当院では唾液検査を行っており、結果は数値とグラフで確認することができます。結果から、患者様それぞれのお⼝の環境に合った予防⽅法を提案できます。お⼝の健康状態を視覚的に確認することによって、意識を⾼めることができます。
過去のコラム「唾液のお話(https://ogawa-d-c.com/archives/colmun/saliva)」も併せてご覧ください。
まとめ
唾液にはお口や身体の健康を守るだけでなく、おいしく食べ物を味わったり、楽しくおしゃべりしたり、日常生活を豊かに過ごすことに繋がるたくさんの働きがあります。
規則正しい健康的な生活など、ご自身で気を付けて改善できる部分はしっかり気を付けて、心身ともに健康な生活を送りましょう。
参考
MBS NEWS
https://www.mbs.jp/news/kansainews/20220706/GE00044652.shtml
キューピー
https://www.kewpie.com/education/information/senior/sosyaku/sosyaku_02.html