記事公開日:2021年2月17日/更新日:2023年4月6日
よく耳にするプラークとはどんなものかご存知ですか?「歯垢」という方が聞きなれている方も多いかもしれません。
今回は、効果的なケアでお口の健康を維持するために、プラークとは何か、お口にどんな影響を与えるのか、⻭⽯との違いは何か、プラークの予防方法などをご紹介しますので、実践して健康なお口とからだを目指しましょう。
プラークとは?
プラークとは、歯垢のことで、⻭の表⾯に付着する⽩⾊や⻩⾊っぽい柔らかい物質です。これらは細菌の塊で、1mgの⻭垢には約1~2億個の細菌が存在していると⾔われています。プラークは食べかすとは別物です。プラークは柔らかいため、⻭ブラシで磨いて落とすことができます。
しかし、プラークは目に見える部分(歯肉縁上プラーク)だけではありません。歯と歯茎の隙間にも蓄積されます(歯肉縁下プラーク)。
歯肉縁上プラークは、確認できますが、歯肉縁下プラークは歯茎の下に隠れていますので、肉眼で確認するのは困難です。また、表面から見えない部分に付着すると、ご自身でのケアは難しく、無理に歯ブラシでゴシゴシ磨いてしまうと、歯茎を傷つける原因になってしまいます。
プラークを放置すると
歯の磨き残しで取り除けなかったプラークは、放置すると蓄積し、唾液の中のミネラルと結合して2日ほどで⽯灰化が始まり、時間をかけて徐々に固まって「歯石」になります。歯石は硬く、歯ブラシで磨いただけでは取れないため、放置するとさらに蓄積していきます。
プラークが及ぼす影響
プラークや歯石は細菌の塊です。蓄積していくと口臭や虫歯、歯周病などお口のトラブルの原因・悪化につながります。自分ではケアできない部分のプラークや歯石を取り除くためには、歯科医院でのプロによるケアが必要です。
プラークがつきやすいところ
プラークは、歯と歯の間や歯と歯茎の境目、歯が重なり合ったところ、奥歯のかみ合わせの溝や、歯の裏側などにつきやすいですので、歯を磨く時に、歯ブラシに角度をつけて、毛先がしっかりあたるように少し意識してみるといいでしょう。
プラークの付着を予防するために
プラークを付着させないためには、歯科医院で行う予防処置「プロフェッショナルケア(プロケア)」と、ご自身で日常に行う正しい歯のお手入れ「セルフケア」の2つが大切です。どちらかがかけてしまっても効果が発揮されません。
プロフェッショナルケアは、歯科医師や歯科衛生士によるお口のチェックやクリーニング、歯磨き指導などを行います。セルフケアでは、歯磨き指導で教わった正しい歯磨き方法の実践や、フロスや歯間ブラシの利用、生活習慣を見直すなど、歯科医院で教わったことを毎日の歯のお手入れに取り入れましょう。
この2つのケアを行うことにより、効率的にプラークを減らすことができ、虫歯や歯周病になりにくいお口の環境を保つことができます(プラークコントロール)。
そのためには、かかりつけの歯科医院をもち、長期にわたる管理をおすすめしております。
⻭⽯を取ったら、⻭の隙間が広くなってしまった︕
お⼝の定期健診など普段から⻭科医院に通っていない⽅が、お口のクリーニングや⻭⽯取りを⾏うと、「⻭と⻭の隙間に⾷べものがよく詰まる」「⻭茎が下がったような気がする。」と感じることがあります。
しかし、これは歯の隙間が広くなったり、歯茎が下がったわけではなく、詰まっていたプラークや⻭⽯がとれて、本来のお⼝の状態に戻っている証拠です。さらにケアを続けていくことで歯茎が引き締まり、健康なお⼝になっていきます。
まとめ
今回は、効果的なケアでお口の健康を維持するために、プラークとは何か、お口にどんな影響を与えるのか、⻭⽯との違いは何か、プラークの予防方法などについてご紹介しました。
プラークコントロールをすることで、虫歯や歯周病などの治療で苦手な思いをする機会が避けられるだけでなく、お口とからだの健康を保つことができます。
そのためにも、自分のからだとお口に関心を持ち、プロケアとセルフケアをしっかり継続していくことが大切です。日頃からしっかりと予防に取り組み、一緒に健康な歯を守りましょう。
当院の予防歯科ページも併せてご覧ください。
参考
特定⾮営利活動法⼈⽇本臨床⻭周病学会
https://www.jacp.net/perio/about/
公益財団法人ライオン歯科衛生研究所
https://www.lion-dent-health.or.jp/labo/article/knowledge/03.htm