記事公開日:2022年3月23日/更新日:2023年4月19日
歯は一度削ってしまうと、治療は出来ても元に戻すことは出来ません。虫歯を治療したから安心と思っていませんか?治療をしても、正しいケアをしなければ虫歯を何度でも繰り返してしまい、いずれは歯を失ってしまうことも。
今回は歯を削ることのリスクや、大切なご自身の歯を守るためにできることについてご紹介します。
目次
歯を削ることのリスク
歯が弱く、もろくなる
歯は自然に再生することはありません。そのため、削れば削るほど弱く、もろくなります。さらに虫歯が大きい場合や虫歯を繰り返すたびに、歯を削る量が多くなり、神経を取ってしまうと歯に栄養分が供給されにくくなるため、さらに弱くなってしまいます。また、その影響で歯が欠けたり割れやすくなります。
二次カリエス(虫歯の再発)
歯を削って詰め物や被せ物などで修復した場合、一定の年数をこえると、修復物や接着剤の劣化などにより、詰め物と歯の境目にわずかなすき間ができることがあります。そこに汚れが溜まりやすくなったり、すき間から細菌が侵入して、虫歯が再発することがあります。
⼀度治療をした歯は、被せ物などの下で発見しにくく、歯を削った影響で何もしていない歯に比べて弱く、⾍⻭の進⾏も速いため、気がついた時にはかなり進行していることもあります。虫歯の再発を繰り返せば、最終的に歯を失ってしまいます。
歯がしみやすくなる
歯を削っていくと、歯の中心にある神経に近づいていきます。そのため、冷たいものや温かいもの、歯ブラシなどの刺激が伝わりやすくなり、歯がしみやすくなります。その影響で、歯磨きの際にしみる部分を避けてしまうと、ケアが行き届かず虫歯や歯周病になりやすくなってしまいます。
虫歯は自然に治りません
虫歯は放置していても、自然に治ることはありません。痛くないから虫歯は無い、痛みがなくなったから虫歯が治ったというわけではありませんので、歯科医院での定期検診などでチェックすることが大切です。
特にお子様の場合、乳歯は生え変わるからと言って放置されることがあります。乳歯の虫歯は、お子様のお口の成長やこれから生えてくる永久歯にも関わってきますので、しっかり治療してください。
大切なご自身の歯を守るためにできること
かかりつけの歯科医院を持つ
かかりつけの歯科医院で、定期健診など長期的にお口の中を管理することで、少しの変化にも気づくことができたり、お口の悩みや気になることも気軽に相談することができ、お口のトラブルを未然に防ぐことができます。
当院は「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所(か強診)」です。1人の患者さんを乳幼児から生涯にわたり安心・安全な歯科医療を提供していく医院のことで、これまで保険適用外であった歯のクリーニングを保険で受けることができたり、口腔リハビリテーションを在宅で受けたりすることができます。当院までお気軽にご相談下さい。
予防と早期発見・早期治療
悪くなる前に予防することが第一ですが、もし虫歯になってしまっても初期段階で早期発見し、歯科医院でのフッ素塗布で歯の再石灰化(虫歯を修復する力)を促したり、ご自身での正しいケア、食生活などを管理すれば、歯を削らずに済むこともあります。
正しいケアを実践する
いちど虫歯になった場所は、歯並びの影響で歯ブラシの毛先が届きにくい、磨き方の癖でよく磨き残しているなど、再び虫歯になりやすいところです。歯科医院でしっかりケアを受けても、その効果はしばらくすると消えてしまいます。当院も含め多くの歯科医院では、歯並びや磨き方の癖などが人によって異なるため、患者様それぞれに合った歯の磨き方や歯ブラシ選びなどをアドバイスしています。これらを実践することにより、セルフケアを効果的にできるようになります。
まとめ
今回は歯を削ることのリスクや、大切なご自身の歯を守るためにできることについてご紹介しました。
主に、虫歯で歯を削ることについてご紹介しましたが、歯を削る理由は虫歯だけではありません。歯を失ってしまった時に、ブリッジの被せ物にする場合は、左右の健康な歯を削ることもあります。また歯科医院によっては、審美治療で歯を白くする場合に、健康な歯を削って、白い歯の板を貼り付ける治療もあります。
それぞれの治療にメリット・デメリットはありますが、様々な治療を選択する要素として、歯を削ることのリスクも思い出してくださいね。削った歯は今まで以上にしっかりケアをしてあげてください。
当院では、歯を削る量を必要最小限にして、できるだけご自身の歯を残す治療を行っております。
また、削らなくてもいいように、健康な歯を守る予防歯科に力を入れています。2~3ヶ月に1回のことなので、年間にしてもわずか数回です。長い目でみると、その方が治療回数も費用もかからずに済み、お口の健康を守ることができます。
歯の健康診断、健康相談やお⼝健康状態を知ることができる唾液検査を行っておりますので、お気軽にご相談下さい。