赤ちゃんが成長し、いざ離乳食の時期がやってきたとき、スプーンの正しい使い方を知らないと、赤ちゃんのお口の成長や食べ方の発達に影響を与えるかもしれません。今回は、赤ちゃんに離乳食を食べさせる際のスプーンの使い方とお口の成長や発育の関わりについてご紹介します。
目次
こんな食べさせ方はNG
× 上あごにすりつけて食べさせる
スプーンを使って離乳食を食べさせるときに、上あごにスプーンをすりつけるのはNGです。これでは赤ちゃんが自分で唇を閉じてスプーンを挟む練習ができません。また、スプーンを抜く角度が斜めになってしまうと、赤ちゃんが上を向く格好になり、飲み込む際にもうまくいかず、むせてしまう危険もあります。
× スプーンいっぱいに食べさせる
スプーンにたくさんの離乳食を盛り付けると、飲み込みが難しくなります。赤ちゃんの口にあった量を適切にあげることが大切です。
×スプーンを口の奥まで入れない
赤ちゃんの口の奥までスプーンを入れないようにしましょう。口の奥に入れると、赤ちゃんが舌を使って食べる練習ができなくなります。
× スプーンを横から入れない
スプーンは顔の真正面から口に入れるようにしましょう。横から入れると、赤ちゃんが上手に食べることができません。
離乳食を食べさせるときの正しいスプーンの使い方
スプーン選び
離乳食初期(5~6カ月ごろ)は、赤ちゃんの口の幅より小さく、深みが少なく平たいスプーンが良いでしょう。また、大人が持ちやすく赤ちゃんの口に運びやすい柄の長いものがおすすめです。
離乳食中期(生後7〜8ヶ月)は、初期のものよりひとまわり程大きく深いもの、後期(生後9〜10ヶ月)になると、自分でスプーンをつかんだり手づかみして食べるようになるので、赤ちゃんが持ちやすい柄が太いものと、これまでと同じく大人が食べさせる用の柄の長いスプーンを使い分けましょう。
食べさせ方
①スプーンの先に少量だけ離乳食をすくう。
②スプーンを赤ちゃんの下唇にあてて軽くツンと刺激を与える
③口が開いたら下唇の上にスプーンを置く
④赤ちゃんが上唇を閉じるまで待つ
⑤スプーンを水平に引き抜く
⑥赤ちゃんが離乳食を飲み込んでなくなったことを確認して、次のひと口を与える
食べさせるペースが早いと、丸のみしやすくなるため、赤ちゃんの様子を確認しながら行いましょう。
もし離乳食が口から出てしまった場合は、同じ要領で再度口に入れるようにしましょう。
慣れるまでなかなか食べないこともあるかもしれませんが、焦りは禁物です。離乳食の内容を見直したり、家族が楽しくおいしそうに食事をしていると、赤ちゃんも食べ物に興味が出ることもあります。食べることの楽しさや興味を持たせる工夫をしましょう。
まとめ
今回は、赤ちゃんに離乳食を食べさせる際のスプーンの使い方とお口の成長や発育の関わりについてご紹介しました。正しいスプーンの使い方を守り、赤ちゃんが自分で食べる練習をすることで、舌や上唇の発達を促したり、口の動きや筋力が向上し、健康的な食事習慣を身につけることができます。
赤ちゃんが食に興味を持ち、自発的に食べたいという気持ちを育ててあげることは、健やかに成長する基礎となります。家族で楽しい雰囲気づくりや食べる環境を整えて、赤ちゃんの成長をサポートしてあげましょう。
当院では、赤ちゃん歯科やマタニティ歯科がございます。歯科の立場からお子様のお口の成長を健やかに導くためのアドバイスをいたしますので、お気軽にご相談下さい。