薄いのに凄い!歯根膜の役割

歯と歯周組織は様々な機能が備わっています。その中でも歯の根と歯を支える歯槽骨を結び付けている「歯根膜」は、その厚さは0.2〜0.3ミリほどと非常に薄いですが、私たちが食事を楽しむためにとても重要な役割を担っています。

今回は歯根膜に注目し、その役割と大切さについてご紹介します。

歯の構造

歯根膜の役割

歯根と歯槽骨を繋げる役割

歯の根元と歯を支える歯槽骨を結び付け、歯が土台から抜けないように固定する役割があります。

 

衝撃を吸収するクッションのような役割

歯の負担を和らげる

食べ物を噛むときや食いしばるときに、歯にはかなりの力がかかります。特に硬い食べ物を噛んだり、強く食いしばると、歯にかかる負荷は大きくなります。このとき、歯にかかる負荷を緩和してくれるクッションのような役割を担い、歯を守るために重要な役割を果たしています。

 

刺激を感知するセンサーのような役割

食感

食べ物を噛むときに感じる歯ごたえや硬さ・柔らかさなどは、歯根膜が脳に送る信号によって感じ取られています。例えば、麺のコシやスナック菓子のサクサクとした食感など、微細な刺激も歯根膜が感知し、脳に伝えます。このセンサーのおかげで歯ごたえや歯触りを感じ食事を楽しんだり、異物を感知することができるのです。

 

歯根膜を守るために

歯科検診

歯根膜は一度失われると自然に再生することはありません。歯が抜けるとともに歯根膜も失われてしまい、それに伴い歯の感覚や食感も失われてしまいます。

歯根膜の役割を理解し、その大切さを認識することは、歯の健康を維持するために欠かせません。

定期的な歯科健診や適切な歯磨きを行うことが、歯根膜を含め歯や歯茎の健康を維持することができます。

悪くなる前に予防することがいちばんですが、治療が必要な場合でも、以上のことから、当院ではできる限り歯を抜かず、ご自身の歯を残す取り組みを行っています。

お口のトラブルは、放置するほど治療に時間や費用がかかり、患者様の負担も大きくなったり、歯を失う可能性も高くなってしまいます。お口で気になることがあれば、早めの相談をお勧めしています。

 

まとめ

今回は歯根膜に注目し、その役割と大切さについてご紹介しました。食事を楽しんだり脳に刺激を与えることは、生活の質(QOL)にも関わっています。歯の健康を守り、美味しい食事を楽しむためにも、歯根膜の大切さを心に留めておきましょう。

瓢箪山の歯医者・医療法人小川歯科医院院長・歯科医師 小川清二

記事監修医

瓢箪山の歯医者
医療法人小川歯科医院
院長・歯科医師 小川清二

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