歯磨きをしていると、オエッと「えずいて」しまうことはありませんか？特に奥歯や舌のあたりを磨くときに起こりやすく、「毎日の歯磨きがつらい」と感じている方も少なくありません。
今回は、歯科医院の視点から「えずき」の原因と対策についてご紹介します。
なぜ歯磨きで「えずき」が起こるの？
歯を磨くときに起こる「えずき」は、多くの場合、嘔吐反射によるものです。私たちの喉の奥には、異物を飲み込まないように守るための防御機能があります。歯ブラシが舌の奥やのどの奥に触れることで、この反射が強く出てしまいます。
えずきによる影響
えずきがつらくて奥歯の歯磨きを避けてしまうと、次のようなリスクが高まります。
磨き残しが増える
奥歯や舌側（内側）は、もともと汚れがたまりやすい部分。ここが磨けないと虫歯や歯周病の発生リスクが高まります。
口臭につながりやすい
舌に汚れ（舌苔）が残りやすくなり、口臭の原因菌が増えてしまいます。
えずきは「ただのクセ」と思われがちですが、放置するとお口の健康に確実に影響が出ます。
今日からできるえずき対策
えずきやすい方でも、少しの工夫で負担を軽くすることができます。
①意識し過ぎない：「えずくかも…」と意識しすぎると、えずきやすくなります。
②磨く順番を変える：最初に奥歯を磨くと、まだ疲れていない状態でケアしやすくなります。
③小さいヘッドの歯ブラシを選ぶ：奥に入りすぎないため、刺激が少なくなります。
④歯磨き粉を変えてみる：発泡剤や香料が少ないものを選んだり、水だけで磨いてみる
⑤鼻呼吸を意識する：口で呼吸しながら磨くとえずきやすいため、鼻呼吸の習慣づけも効果的です。
歯科医院でできるケア
歯科医院では嘔吐反射予防に、以下のようなアプローチが可能です。
- 歯磨き方法の個別アドバイス
- 適切な歯ブラシや補助用品の提案
- 舌のケア方法の指導
- 歯周病や虫歯のチェック
- プロクリーニングで磨き残しをリセット
まとめ
今回は、歯科医院の視点から「えずき」の原因と対策についてご紹介しました。
歯を磨くとえずいてしまう原因には、舌の敏感さや磨き方のクセなど、さまざまな要因があります。えずきを避けて磨く場所が限られてしまうと、虫歯・歯周病・口臭など、お口のトラブルにつながりやすくなります。
原因を理解し、ちょっとした工夫を取り入れることで、負担の少ない歯磨きが可能になります。
「えずくから歯磨きが苦手…」という方も、お気軽にご相談ください。お一人おひとりに合った方法で、無理なく続けられるケアを一緒に見つけていきましょう。
